やっぱり気になる年の差
彼とはいつの間にかデイルームで食事を一緒にするようになっていた。
他にも何人かの患者さんも一緒にいたが、
座る場所は私の真ん前が彼と決まっていた。
食事が喉を通らず、少食だった私のおかずを彼は目くばせして食べてくれた。
ずっとデイルームにいると彼は私の前に座って聞いていた音楽を聞かせてくれた。
無言で言葉少ない彼にどう接していいのか分からなかったが、感謝の気持ちを伝えたくて手紙を書いて渡した。
話をあまりしない彼からの手紙を見て、年の差を感じた。
私は思いきって、彼に年齢を聞いてみた。
驚いたことに彼は私より15歳も年下だったのだ。
自分の中で彼は知らない病院で出会ったのだから、何もなかったことにしようと思ったのと同時に入院中にお世話になっていることに感謝して、できるだけお返しができたら…と思った。
手紙のやり取りの中で彼から好意を打ち明けられた時、私は一人の女性になっていた。
揺れる心の狭間にいた時、退院が決まった。
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