過酷な入院生活の中での淡い恋
いきなり騙されて入院させられた病院は
田舎の精神科病院だった。
今まで通院していた病院は大きな総合病院で勝手も知っていて、何よりも居心地の良い場所だったので何で?何で?という感じだった。
洗面具も何も持たされないまま、家族の同意と医師の判断でいきなり入院。
受診室で両腕を看護師に捕まれたままナースステーション横の個室に入れられた時はただ呆然としてしまった。
病棟の看護師の計らいで病衣と洗面具を用意してもらえたので、ようやく休むことができた。
翌朝、喉が乾いたのでお茶のサーバーへ看護師から渡されたプラスチックのコップを持っていくとお茶の入れ方がわからなくてあたふたしてしまった。
後ろから背の高い男性が ここをこうやって押すと出ます と教えてくれた。
パッとしか見なかったが、こんな病気に見えない人も入院してるんだ と思ったのが
彼に対しての第一印象だった。
その日の昼過ぎからデイルームと呼ばれる
食事をしたり、テレビをみたり、患者さん同士が話ができる場所でボーッとしていた。
横にある1台しかない公衆電話を使って誰に助けを求めていいのかと考えていた。
突然、男性二人が私の前に座り お話しませんか?と聞いてきた。そのうちの一人はなんと、お茶サーバーの男性だった。
びっくりしたのもありましたが、どこか嬉しかったのを覚えています。きっと彼に対しての私の淡い恋心だったのかもしれません。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。